【転職をする前に】大企業で得られるメリットは本当に役に立つのか

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【はじめに】大企業を辞めたい?大企業で得られるメリットを当たり前と思ってはいけない

インターンへの参加、自己分析や企業研究などを経て苦労して掴み取った新卒大企業入社。にもかかわらず、数年が経つとこのまま大企業で働き続けてもいいのだっけ?という疑問を持ち始める人がいるのも事実です。

  • 「入社して数年経つけれども大きなプロジェクトに参加するでもなく、大きな実績をあげているわけでもない」
  • 「ベンチャーで働いている人はもう部下がいるなんていう話もあるけれども自分はいつまでも下っ端の雑用に追われている」
  • 「リモートワークは楽だけれどもこのまま大企業に居続けてもいいのだろうか…?」

このように、大手企業に勤めている人が「ホワイトすぎて辞める」という事態が発生しているという報道もあるほどです。

「ゆるい大企業」を去る若手たち。ホワイトすぎて離職?働きやすいのに“不安”な理由
若手社員の離職に頭を悩ませる大企業。なぜ、働き方改革が進んだ大企業を辞めるのか?新入社員を対象にしたリクルート調査を分析すると、逆にその「ゆるい職場」にこそ原因がある可能性が浮かんできました。

では、20代それも前半のうちに大企業のキャリアに見切りをつけることは「賢明だ」と思いますか?それとも「世の中を知らない甘ったれ」だと思いますか?

置かれた立場によってその意見はいろいろとわれることでしょう。異動がしやすい場所であれば社内で何かしらの出たてを打てるかもしれませんし、会社の経営が傾いている状態でたればすぐに見切りをつけたほうがいいこともあります。

なので、今回の焦点は「大企業をすぐにやめた方がいいか否か」という議論ではありません。この記事では、0か100で考えるのではなく、大企業で得られるメリットも今一度考えた上で大企業にいながらできることを模索する方法を考えたいと思います。 

といいつつ、私は新卒で入社した超ホワイトな大企業を20代のうちに退職しました。その意味でも、最終的に転職を選ぶことはOKだと思います。

ここで述べたいことは、「何も考えなしで大企業を辞める」前に考えたい大企業のいいところって何だろう?というお話です。

【理由】大企業を退職して後悔する可能性があるからすぐには転職しないほうがいい理由

では、まず大企業に勤めていたら得られるメリットとは何なのかを考えてみましょう。

いろいろな観点があるとは思いますが、主に「金銭」「人」「スキル」「ライフ」の資産に区分をしてみます。それぞれは絡み合っている部分も大きいので、ざっくりとした区分であることはご承知おきください。

  • 得られる金銭的資本:賃金や手当の水準が比較的高い
  • 得られる人的資本:周囲への信頼度が増し、比較的高学歴な人材間での交流ができる
  • 得られるスキルのメリット:ビジネスマナーを身に着けられる
  • ライフの充実:子育て支援制度が充実していることが多い

そして、もし「大企業」という環境から抜けると、これらの資産が「当たり前ではない」ということに気づきます。実際、私自身も退職をしてすぐのころにはそのように感じたことが多々あったのでさらに詳しく見ていきましょう。

①金銭的資本:今の待遇が当たり前じゃない

一般的には大企業の方がそれ以外の企業と比べると年収が高い傾向があります

国税庁が発表した令和3年「民間給与実態統計調査」によると、20代の平均年収は約320万円(中央値266万円)だそうです。

もう少し細かい区分で言うと、2019年の同データでは、以下のデータになっているそうです。

  • 20代前半の平均給与:男性284万円、女性249万円
  • 20代後半の平均給与:男性404万円、女性が326万円

翻って私自身の話を大公開します。大手企業/女性/総合職時代の社会人2年目で420万円強もらっていました。(まぁ手取りで行くと300万円もいっていなくて税金の高さって本当になんなんでしょうね。)

ただ、1人暮らし&支出もすごくて、周囲のメンズたちは平気で1千万円超えの世界にいましたので、なんて少ないんだーと思っていました。

420万円が高いか安いかはわかりませんが、仕事量に対してみると実力以上の給与をもらってることは確かです。大企業に勤めていると、実力を過大評価してしまいます。

世の中の中小企業の求人情報を見ると30代・初年度400万円とかがざらにありますからね。「あ、これまで仕事が普通にできてたのは会社の看板のおかげだったのか」と気づきます。

その後、転職を行い30代前半で入った会社では副業も入れて650万円強の収入を得たのですが、正直めちゃくちゃ忙しくてうおおおおとなって稼いだお金です。同じ金額を大企業で稼ごうと思ったら、わりとゆるゆる働いても手に入ると思います。(もちろん業種業界によることは承知しています)

また、大企業は一般企業よりも退職金が多いです。目に見える給料は一緒でも、大企業と中小企業の退職金には何倍もの差があります。

実際、厚生労働省の「令和3年退職金、年金及び定年制事情調査」によると、大企業の定年退職金額の平均は大卒の場合で2,230万4,000円、中小企業は1,118万9,000円だそうです。全然違う!!!

大企業で働くと、自分の実力以上の年収・退職金をもらえている可能性が高い。

②人的資本:人間関係が悪い意味で変わる可能性がある

2つ目のポイントです。学歴差別をしたいわけではありませんが、正直大企業に行ける人は、そこそこ頭が良く出身大学も国立大学、早慶上智、MARCHや関関同立などの私立上位校出身者が比較的多いです。

そうなってくると、ある程度生まれ育った環境が近い人も多いです。いわゆる「中流階級」の暮らしをしてきた人ですね。そして、そうした環境を知っている特に女性は、努力家な人も多く向上心が高いです。

いやのぶこさんあなたもそうでしょと言われたら全否定はしません。確かにたくさんの経験をさせていただきながら成長しました。

ランチタイムにテレビドラマの話をする以外にも仕事の真面目な話をすることも多く、誰かのグチを言って過ごすということは基本的には少なかったです。

結婚や出会いの格差社会にも直面します。大企業にいる周りの女性たちは、「玉の輿にのってやろう」なんて思わなくてもちゃっかり商社マンとか捕まえていくケースも多かったですし、「大企業にいるいい人紹介してよ」と言われなくても、大企業出身者はまわりにうじゃうじゃいるわけですよ。

こうしたことが当たり前だと思うと大変です。異なる環境に行くと会話内容が変化し、自分の成長を感じられなくなってしまう可能性もあります。

「自分の周りの5人を平均すると自分になる」はあながち嘘ではない。

③スキルのメリット:大企業という看板の影響力を忘れてはいけない

3つ目はスキル面のお話です。大企業にいるとどのようなスキルを得られるのか?というお話は別としても、日本社会において「大企業にいる」というだけで周囲の反応は変わります。世知辛いですね。

ということで、「この人は信頼に値する人かどうか」という最初のハードルを比較的簡単に超えやすいです。その状態で社外の勉強会に出たり、副業に挑戦してみたりすると、あれよあれよといろいろなことを吸収しやすいでしょう。

一方、大企業という看板を捨てて全然違う会社に転職をしたりすると、「どうして大企業を辞めたの?」という世間の目に晒されます。

中小企業は事務作業など雑務に追われてわかりやすい成長実感を覚えにくい事例も多いため、口だけはいっちょ前で、実力が伴わない痛いやつだと思われかねません。

そういう意味で、大企業勤めのプライドが残っている人は厄介ですし、「大企業所属」という看板は使えるうちに使い倒した方がいいです。

「大企業」であることを「すごい」と言われたい人は、まずはその武器を使ってスキルをつけるべし

4つ目のライフについては、今回は割愛させていただきますが、別の機会でお話したいと思います。

そうは言っても大企業でもやもやする気持ちはあって不思議ではない

ここまで、大企業に勤めて得られるメリットを複数の観点から説明していきました。

しかし、そうは言っても自分の価値観と異なっていたら、どんなにメリットを享受できる大企業だと言っても環境を変えたくなるのは不思議ではありません。

メリットを見てきた後は、大企業で勤めるとどのような デメリットがあるのかということを考えていきたいと思います。

大企業に勤めるデメリット

納得できない異動や出向がある

もちろん希望は聞いてくれますが、玉突き人事というものが存在します。AさんとBさんを単純にトレードするわけにはいかないから、とりあえずCさんも混ぜちゃえ★みたいなやつです。

昭和の慣習が残っている

大企業はオールドボーイズネットワークと言われています。なので、女性や外国人にしてみれば「???」なこともたくさんあります。無意識の男尊女卑を感じることも多かったです。

なぜ人のおみやげを配らないといけないのだ。まぁコロナ禍もあって飲み会のルールはちょっとずつ変わったと聞きました。いいことだ。とりあえずビールにしたらおなかいっぱいになります。お金もったいない。

出世の道のりがだいたいわかってしまう

何年目で何の役職につけて、給料はどれくらいで、ということがわかりやすいです。飛び級もなければボーナスも特筆してもらえる人はいないかごくわずか。だいたい横並びです。安定しているというメリットと表裏一体ですね。

若手のころの業務内容はほぼ社調整

これは本当にそうでした。15人規模の会議とか行うんですよ。全員のカレンダーを見比べて「ここだぁ!空いていた!」となってもそこだけ会議室があいていない…みたいな。部長や役員の調整ばっかりするものだから秘書と仲良くなりました。

仕事の決裁スピードが遅い

とっとと部長にもっていってくださいよ~という案件も平気で1週間くらい放置される…部長にわたったあとまた1週間くらい放置される…と思ったら稟議を差し戻された…というお話ですね。数十人規模の会社であればダイレクトに社長決裁です。

といった感じで、大企業には大企業の時間軸があり、とりあえずいろいろとのんびりしていることがわかるのではないでしょうか。

このあたりが「安定」「思っている以上にお金をもらえる」の所以なのですが、別の角度から見るとデメリットとなる要素と言えるでしょう。

大企業を辞めなくてもできる準備を進めることは大切

【実録】新卒の段階で定年までいる会社ではないと見切りをつけた

ここからは少し自分のお話を紹介します。

私自身、大企業を辞めた理由は以下の通りでした。

  • 男性社会だなぁと感じることが節々にあったのでもう少し伸び伸びしたかった
  • 国内に事業展開を行う会社だったが、もう少し国際的なことに携わりたかった
  • 「俺たち大企業にいる人間ってすごいんだぜ」という空気感に疑問を感じてしまった

こうした疑問を感じて「この会社に定年までいることはないだろうな」と新卒のころから思ってしまっていたのですが、「人的」「金銭的」「スキル」の要素の蓄積を数年行おうと決意しました。

スキル:視野を広く持つ考え方を持つ

大企業で働きながら圧倒的に身に付いたのは視野を広く持つ考え方です。社内調整は面倒ですしやってられないこともたくさんありましたが、様々なステークホルダーとやりとりをする中で物事を多面的に見る力が身についたと思います。

人的資本:肩書で信頼を得て自分のものにしていく

大企業にいるころに、大学院で学び直しを行いました。ぶっちゃけ会社名で受かったようなところはあると思います。そこで出会った人たちは当時の自分よりもちょっとおねーさんおにーさんな人が多かったので生き方の参考になることがたくさんありました。と同時に、「あ、なんでもありだな」と思えるようになりました。

金銭的:楽しめる分だけ楽しんでしまう

大企業にいたころ、莫大な貯金はできませんでした。今考えるともったいないですが、でもそのかわり安定期に収入を得られるかつ独身であることをいいいことに、大学院にいったり、食べてみたかったものをたべたり、行ってみたい場所にいったり、エステとかもたくさん体験したりしました。経験資産がふくれあがったので、今は質素に生きても別にいいかな、という状態になりました。振り子ではないですが、ぶんぶんふっているうちにちょうどいい塩梅が見つかるみたいです。

自分の市場価値を正しく把握しておこう

こんな感じで、もし今よっぽどのなんちゃらハラスメントもなくとりあえず目の前の仕事は淡々とこなせばお金がもらえる状態で、でも何か成長を感じたい…という健全な状態なのであれば「嫌だ!すぐに辞めてやる!」と考えるのではなく大企業に所属しながらでもそのもやもやの解消に向かえるツールをたくさんつかってみましょう。

そして、どのような人も常に「その会社を辞めても自分は大丈夫」と思える状態に磨いておくことをお勧めします。

市場価値を診断するツールを使う

まずは自分の現在地を知ることが大切です。

転職活動と転職はイコールではありません。以下の通りきちんと区別をしましょう。

会社の業績がいいと、当然賞与もあがります。でもそれが自身の能力のおかげだと早合点してしまいがちなんですよね。そして転職をして「自分はもっと年収のいい場所にいけるはずだ!」と思ってしまう負のスパイラル。

ということで、市場価値を正しく知るために、市場価値を診断できるツールを使ってみましょう。

転職サイトや転職エージェントに登録して求める要件を確認する

転職活動と転職は異なります。

  • 転職活動:新しい会社で働くという選択肢も視野にいれながら自分のキャリアの棚卸を行い、次のステップを考える自己成長に繋げていくもの
  • 転職:実際に新しい会社で働くこと

ということで、要するに「転職活動」はあくまでもプロセスの話です。

なので、転職関連のサイトで求人を眺める「転職活動」を通じて、自分の興味がある求人の求める要件を確認してみましょう。たとえば「WEBマーケティングの知識がある人」と書かれていたら、独学や副業を通じてそのスキルを身につけていきましょう。自分のスキルを売るサイトで実績をあげてみるのもありです。

資格の取得や社外での活動範囲を広げる

大企業であれば研修費用の一部を会社が出してくれたり、法人割引がきくパターンもあるでしょう。実際私も、法人割引価格で英会話の学習を行いました。社内の福利厚生をチェックしてください。

【まとめ】1つの会社に一生とどまる必要はないが時期は考えたほうがいい

いかがだったでしょうか。世の中は、「仕事はお金をもらうための手段で、辛い思いをするのは当然の対価である」という思想が大勢を占めているように見えます。そのような中、いったん大企業に入ってしまえば、比較的一生食っていける確率が高いのは事実です。でも、大企業には向き不向きがあるので、少しでももやもやを感じてしまったら、いつでも環境を変えられる自信をつけるために動き出すことが大切です。その結果として「やっぱり大企業で働き続ける」という結論を出してもいいんです。

回り道でも、犯罪を犯すレベルのお話ではなく、本人が納得できている生活であればいいのです。答えは一つではありません。

そのために、今自分がまずどのような一歩を踏み出すべきか、考える時間を作っていきましょう!

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