アフィリエイト広告を利用しています
はじめに:キャリアの棚卸の重要性
「入社3年目以内の離職率」というデータが毎年発表されているように、入社3年目はキャリア形成において重要な転換点と言われています。
【参考】厚生労働省「新規学卒者の離職状況」データより。令和2年は新規大学卒就職者の3年以内離職率が32.3%という結果になりました。
「3年目」とは大学を卒業してから働き始めた人であれば20代半ばに差し掛かり、学生時代と社会人生活の違いもみえてきて「一人前」として扱われることが多くなる時期。
こうした時期に自分のキャリアを深く掘り下げ、今後の方向性を定めることは、長期的な視点で納得感のある人生を歩むために大切な鍵となります。いわゆるPDCAというものですね。
そこで今回は、ぜひこのタイミングで触れてほしい情報なども紹介しながら、キャリアの棚卸の方法を紹介します。
筆者紹介
転職経験2回の30代女性です。奇跡が起きて大企業につとめていたのですが、大企業特有の独特な空間から抜け出してみたくなった若気の発想で転職。2回目の転職は、より裁量権を得たいと思ったことから行いました。
それぞれ、転職エージェント経由・求人広告型の転職サイトを利用しました。その他にも国家資格キャリアコンサルタントの資格を活かしながら行っている副業等では新卒・中途採用の業務にも携わってきました。
なぜ入社3年目でキャリアの棚卸をするべきなのか
中学1年生と3年生、高校1年生と3年生、体型の変化はもちろんのこと、将来に対する考え方や悩み、できるようになったことの数や幅は年齢を重なるごとに多くなっていったのではないでしょうか。
当然ながら働き始めても同様です。新入社員と社会人3年目では、考え方にも大きな差が出てくるでしょう。中には新入社員のことを見ながら「若いなぁ」なーんて考えるような人もいるかもしれません。
そんな3年目社員ですが、10年、20年目社員からみたらまだまだひよっこです。決してうぬぼれることなく、このタイミングでキャリアを棚卸するとメリットだらけであるということを肝に銘じておきましょう。
業務に慣れ、初期の挑戦を乗り越えた入社3年目の社員は、新たな自己発見の機会を迎えます。中にははじめて部署異動を行う人も出てくるでしょう。
そんな折に自分の興味や強み、将来のキャリアについて深く考えていなければ不本意な部署異動となってしまう→こんなはずではなかった…と悩む→もっと他の選択肢があるのではないかと勢いで転職していまう→迷える子羊になる……となりかねません。
しかし、きちんと自己の棚卸ができていれば過去ー現在ー未来を上手に結び付けることで、ステップアップをはかれるようになります。
まとめ:この時期にキャリアプランを見直すことは、自分のキャリアをより望ましい方向へ進めるために重要。まだ若いうちにキャリアの方向性を変えることは、比較的容易であり、長期的な視点から見ても大きなメリットがある。
キャリアの棚卸を行う5つのステップ
ではここからは、実際にどのように棚卸を行うのか考えていきましょう。
ステップは5つあります。1日ですべて終わらせるのではなく、2年目が終わるころから徐々に考え出して、3年目の夏のボーナス時期頃までにはクリアにできているといいでしょう。
ステップ1:自己分析を深化させる(思い出せ就活を!)
就職活動のときに行ったであろう自己分析。
この自己分析は、今後の人生を考える上で常に最初に行うべき大切な内容です。
自己分析を通じて、自分の強み、弱み、興味、価値観を深く理解します。これには、自分がこれまでに経験した業務でどのように感じ、どのように行動したかを振り返ることが含まれます。
上記はあくまでも一例ですが、これらの行為は「過去」に着目をしているためきれいごとを書く必要はありません。マイナスなことであればそのままありのまま、どす黒い言葉になっても構いませんので可視化していきましょう。
自己分析は第三者と一緒に行うことも有益です。「どうしてそのようなことを思ったのか?」を掘り下げることが可能となります。
ステップ2:過去の業績と経験の詳細な分析を行う
羅列した自分史の中で、仕事において関与した具体的な成果や成功体験を分析します。もちろん失敗体験でも構いません。自分が頑張れる環境はどのようなときなのかを明らかにしていきます。
ステップ1と同様「過去」に着目をしているのですが、ステップ1が「線」に着目している反面、ステップ2はより具体的な事象である「点」に着目をしています。
ステップ3:将来のキャリアパスの軸と方向性を定める
ここまでで自分が仕事で大切にしたいことがなんとなく見えてくるはずです。
そうしたらしめたもので、現在の業務、業界、職種にとどまらず、将来のキャリアにおいて探求したい分野や役割を考えます。
これには、転職をするしない、その会社に該当する部署があるかどうかに関わらず、自由な発想で異なる業界や職種での可能性、キャリアの転換点などを検討することが含まれる&その自由な発想が大切です。
決して行ってはいけないことは「〇〇の方向かな、でも…」と、自分の意見を「No, but」でさえぎってしまうことです。あくまでも「Yes, and」の精神を大切にして可能性をたくさん探ってみましょう。
まとめ:自分の可能性を阻むのは自分自身!まずは自由な発想を大切にしよう。
ステップ4:ネットワーキングとフィードバックの活用
お疲れさまでした。ここまでは1人で頑張ってきた人も多いと思います。そしてその分、だいぶ本音かつちょっぴり非現実的な考えが生まれている人もいるのではないでしょうか。
ただし、ここで「いえーい!なんでもできそうなきがするー!」と突然すべてのスイッチを切り替えるのは少々リスクが高いです。
ということで、少し地に足を付けて行動ができるように外部のカウンセリングサービスを使ったり、信頼できる周囲からのフィードバックを活用し、自分のキャリアプランに対する意見を求めましょう。
ただし、こうしたカウンセリングのスキルが乏しい人にいきなり持っていくとまず否定から入られてしまう恐れもあります。
できれば見ず知らずの人であったとしても、プロとしてカウンセリングを行っている人に相談をして背中を押してもらうことから始めると新たな発見やアイデアを得られます。
最近では、ダイエットや勉強と同じようにキャリアに関するコーチングを受けられるサービスも増えてきています。上手に活用することで自分の人生に前向きな気づきを得られるようになるでしょう。
ステップ4:具体的なアクションプランの作成
ここまできて、ある程度現実的な将来が見えてきたら、短期・中期・長期のキャリア目標を定め、それぞれの目標に向けた具体的なアクションプランを立てます。
もし、将来の方向性と現在のスキルにギャップが生じている場合には、それを埋めるために追加の学習や資格取得などを行うプランを立てていきましょう。
まとめ:自分にしっくりきているかどうか、嘘をついていないかどうか何度も推敲することが大切です。
参考にしたい書籍
自分ひとりで作業を進めても、インプット量が足りなければどうしてもアイディアは偏りがちになってしまいます。
そこで、自己分析からアクションプランの作成までの手助けとなる書籍を紹介します。
『ストレングスファインダー2.0』(トム・ラス著)
ストレングスファインダーはいわゆる適性検査のようなものを行える本です。
自分の強みを発見し、それをいかに活かすかを考えるのに役立ちます。
『マインドセット「やればできる! 」の研究』(キャロル・D・ドゥエック著)
「マインドセット」は、成長マインドセットと固定マインドセットの違いを明確にし、キャリア成長におけるマインドセットの重要性を強調しています。
動画サイトにも多数情報がアップされているので、要約版を見たい方はまずはそちらからチェックするのもおすすめです。
『今すぐ転職を考えていない人のためのキャリア戦略』(田中研之輔著)
キャリア形成をする、ということは転職や副業という具体的な内容ではなく「自分がどう生き、働き、稼ぎ抜きたいか」というもっと大きな視点で考えていく必要があります。
「今すぐ転職を考えていない人のためのキャリア戦略」にはこうした大きな視点で物事を捉えるための行動方法が解説されています。
『キャリアづくりの教科書』(徳谷 智史著)
「キャリアづくりの教科書」は500ページの超大作ですが、熱い想いが伝わるまさに教科書です。3年目社員と言わず、あらゆる年代の人が読んでも共感できるエピソードがたくさんあるので、人生の節々にチェックすることができるでしょう。
まとめ:与えられた時間をどう過ごすかが重要
いかがだったでしょうか。
入社3年目は、多くの人がこれからの人生を考える時期です。しかし、それを表立って言うことははばかられると思う人が多いのか、傍から見るとあまり悩んでいないように見えるのも事実です。
その状況に甘えて、「まぁまだ大丈夫か」とぼーっと過ごすのか、「いや、ここできちんと棚卸を行おう」と精力的に過ごすか、どちらのほうが1年後に晴れやかな顔をしているでしょうか。
入社3年目のキャリアの棚卸は、自己成長のための絶好の機会です。自分の強みや弱みを理解し、具体的なキャリアプランを立てることで、将来に向けて適切な方向へ進むことができます。おすすめの書籍や紹介したステップを参考にしながら、自分だけのキャリアをデザインしていきましょう。